そうすると殺気だっている兵士は「貴様、訳が分かつてしゃしゃり出たのか!
もしそうなら、女を取りたいなら俺を負かしてみろ!」と叫んだ。
新太郎は意味が分からずにいると中から声が聞こえた。その声にハッとした。
その声はまさしく、日本人ではない、そして半分精神が侵されたような様子に
新太郎は驚いた。
とっさにひるがえった新太郎は叫んだ。「貴様ら、中の女郎がまともな状態でないのを
分かっているのか?いかに戦場であっても皇軍の分別を
もつべきだろう、さあ、引き取られよ。だが、なおも執着するものあるなら
皇軍の名誉を保つためにこの男に私も組する。さあ、どうするのか?」
とっさにこの女郎が悪徳な女衒にだまされ連れてこられた女性とみたの
であった。結局、新手の出現に兵士達はあきらめすごすごとひきさがった
のでした。