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そうすると殺気だっている兵士は「貴様、訳が分かつてしゃしゃり出たのか!
もしそうなら、女を取りたいなら俺を負かしてみろ!」と叫んだ。
新太郎は意味が分からずにいると中から声が聞こえた。その声にハッとした。
その声はまさしく、日本人ではない、そして半分精神が侵されたような様子に
新太郎は驚いた。

とっさにひるがえった新太郎は叫んだ。「貴様ら、中の女郎がまともな状態でないのを
分かっているのか?いかに戦場であっても皇軍の分別を
もつべきだろう、さあ、引き取られよ。だが、なおも執着するものあるなら
皇軍の名誉を保つためにこの男に私も組する。さあ、どうするのか?」
とっさにこの女郎が悪徳な女衒にだまされ連れてこられた女性とみたの
であった。結局、新手の出現に兵士達はあきらめすごすごとひきさがった
のでした。

貴様もやるなぁ
「新太郎」いや、そんなことはないさ
俺は平次と言うんだよろしくな、
俺は新太郎だ。こちらこそよろしくな。
いやぁ、だけどうわさでは聞いていたが
本当に異国の女を女郎として連れてくる
異国の悪徳女衒がいるとは聞いてはいたが
あの状態ではだまされて連れてきたよう
だな、こういうことは取り締まりを強化すべき
ではないのかな?
貴様は青いなぁ、
え、そうか?
うん、いくら正義を語ろうと軍隊を相手に
お金儲けをする朝鮮人業者は合法で数も
多い、娘を売る親も食うためにろくに説明も
しないで売り渡すのが現実だ。日本の
実情も大差がないか?それに戦地での
兵士達が現地人の女を襲うことを防ぐ
には女郎は必要なのさ、
そうだよな、戦下では性欲に歯止めが
効かない連中もでるだろうしな、
そうよ、一人の人間の中にも善良な面と
悪い面があるように

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