失われた豊かな自然
「ルル」
おばさま、本当の火星は緑があって豊な環境が
あったというのは、そうなの?
「おばさま」
そうだよ、少なくとも私が子供のころは緑はあったよ、
でもね、小さな星の環境は人間のわずかな環境破壊や
汚染でもリズムが狂うようだね、気が付いたときは手遅れ
だったようだね、
災いは続くように、その後には巨大火山が大噴火してね、
それでますます火星のようすが変わったのだよ、
それは、だれもが共有するようになってね、
それをみんな見解をだしあって考えて見ると
これは地軸の移動のはじまりのサインと読んだの、
皆、頭が良かったからね予知できたんだよね、
でも、地軸の変動は予測できてもそれにともなう大津波の
対策は巨大すぎてバリアの設置と箱舟による保護より
方法は見っけられなかったね、
そして大地震とともにやがて大津波が発生したのさ、
その結果、この都市だけはバリアで保護できたけど
保護しきれなかったところでは箱舟に逃げ込んだけど
その勢いは凄まじく引力の弱い火星の海水は宇宙
までとびだし、箱舟とともにやがて地球にたどり
つき、地球に降り注いだ、そして
それで地球は他にない水の多い星になったのさ、
「ルル」
それでは火星はもう、もとの美しい星には
もどれないのね、
「おばさま」
そう、緑が豊で海がある火星はもうよみがえらない
と思う、でもね、そういう環境はいつまでも続く星は
ないんだよ。どんな星もやがて地殻は冷えて縮小、
巨大な空間が広がり、海水は飲み込まれる。
だからほかのほとんどの星に水は見えないのだよ、
でも、これからも生活を守るためにお父さん、
お母さんとか大勢の人たちが地下で働いて
いるじゃないか。
「ルル」
はい、おばさま、わかります。