損なわれたもの

前編 1

うん!どれどれこのあたりで
野宿しょうかなぁ、
これで旅館なんかに泊まることなど
したものならさぞや父上や母上に
後で笑われるだろうからなぁ
やはり、幕末の若き志士にあこがれる
新之助としてはやはり、野宿が
男らしくて似合う、うん、
つまらん意地かも知れんがなぁ
まぁよい、うん
うん、しかし今日は良く歩いたなぁ
車社会で生きる世代ではこうして
歩いて旅を体験するなんて普通は
ないからなぁ。
いい思い出になるなぁ、うん

あすはどのあたりまで歩けるかなぁ、まぁ無理せず
確実に進むのがよいのだろうなぁ、
それにしても今日は疲れた、それにしても野宿とは
不気味なところもあるがこの疲れが怖さを感じる
前に寝付かしてくれそうだなぁ、ムニャムニャ
ぐーぐー

私新太郎は青春の修行と体験、思い出作りの為に
古い道をたどる旅をためすことになりました。

エイサア、エイサア、
ハッ、なんだろう?あの掛け声は

こうして私は眠りについたのでした。

新之助親子の里へ

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よいしょ!よいしょ!
おっと、人間の足で歩くと思いの
ほか距離が進まぬのでねつが
はいってしまったわぃ、
もう薄暗くなってきてしまった。
古き街道を自分の足でたどりたかった
ので父上と母上にお願いして県内の
小旅行に出たもののこうしてたどると
以外や以外、ずいぶんと距離がある
なぁ、うん、それに意外と多くの
古い町並みが残っていてあらためて
古い日本の良さが感じるなぁ、ウン