思い出The remembrance
あそこを曲がるともうすぐだね、
でも、さっきはおどろいたね、あのお店の前は通らないようにしていたのに
通ってしまったら、見つかって・・・・追いかけてくるとは思わなかった、
あのお店ではこの町に来てすぐの時にひどい目にあったものね、
もう、近づかない、
「サン君」
あ、パル婆さん?
「パル婆さん」
おや?サン君、
「サン君」
あ、?あれは、
「パル婆さん」
それは今わたしがマリーの為にあげたのさ、
「サン君」
あの、パル婆さんマリーがここで死んだの知っていたの?
あのころこの町にマリーときて知り合いもいなくて、パル婆さんも
よく知らなかった、そんなころだったのに、
「パル婆さん」
うん、すぐにはわからなかったけれどね、じきにわかったのさ、
サン君、大事な人が亡くなったらお花をあげてなぐさめてあげるのだよ、
そしたら、マリーちゃんもよろこぶからね、
「サン君」
え、そうなんだ、
「サン君」
マリー、僕のいとしいマリー、お花をあげると喜んでくれるんだって?
教わったから、今度からお花を見つけたらもってくるからね、マリー
まっててね、マリー
けどね、もうしばらくマリーは夢の中にでてきてくれなくなったね、寂しい、
きっと、あの時にあんなことをいったから?
「サン君」
マリー・・・・
「マリー」
お兄ちゃん・・・・
「サン君」
あ、そうだ、また忘れるところだった、こんどこそマリーに聞こう、
「サン君」
ねえ、マリー、マリーは死んだはずなのにどうして、こうやって夢の中に
出てこれるの?ぼくね、いつも夢がさめたときに思っていたの、でも
今、夢の中でそれが気づいたの、それもマリーが死んだときのマリーよりも
前のマリーに見えるの、
あのときのマリーの顔はとてもつらそうに見えた、
 僕はマリーをイジメるつもりなど全然なかったのに、きっと
あんなことを聞いたからだね、つらいよ、マリーごめんね、マリー
「コックメイ」 
オイ、まずいな、あれはあの子の母親なのか?
「コックヤイ」
さあな、
「コックメイ」
いっちまったぜ、
「コックヤイ」
まずいな、連れて帰らないとマダムガガに叱られる。
「コックメイ」
それにしても、俺たちをみてあの子は一目散に逃げ出したな、
俺たちそんなに悪いことをしたのか?
「コックヤイ」
まいるぜ、それにマダムガガの話ではお年寄りを助けた子供なんだって?
困ったなぁ、
「コックメイ」
あのガキには連れの女の子がいたよな、おや、この花はなんだろう?
 つくずくまいったぜ、
「コックヤイ」
まぁ、そのうちにあの子を捕まえるチャンスもくるだろう、それまで待とう。
「コックメイ」
そうだな、今日はあきらめよう、
「思い出」終わり" Remembrance " The end
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